The party in the high castle

遥かなる高みに聳える、アタラクシアの砦を目指して

スキルの三階層

ベタな自己啓発本みたいだが、ビジネス上のスキルを自分なりに構造化してみたので書いてみることにする。

 Tier1はビジョン構想力とリーダーシップ、Tier2は戦略とマネジメントシステムの構築力及び実行力、Tier3は個別事業に即した専門知識(いわゆる「現場」スキル)という具合だ。

 個人的には一番ボトルネックになるのはTier1だと思う。これはカリスマ性にも近いもので、政治家や宗教家に通ずる要素だ。勉強がてんでダメでも、この能力が卓越していれば歴史に名を刻む英雄にすらなれる、そんな類のスキルである。もちろん教科書を読んで身につくものでもないし、多分MBAを取っても無駄である。徹底的に自分や他人と向き合って「人間」に寄り添わないと、心動かすビジョンなど語れない。

 Tier2はいわゆる経営スキルで、MBAが提供するのはこのTier2スキルだ。戦略コンサル出身者などもこの分野に強いだろう。戦略を描いたら、実行を担保するために仕組みを作る。ちょうどピタゴラスイッチのように、組織やプロセスをデザインする。僕は経営企画部でこんなことをかじっているが、どうも難しい。以前「アートとしての組織論」というエントリを書いたが、半分アートなんじゃないかと思える節もある。とはいえ経営理論はある程度成熟したものがあるし、プロのコンサルタントも多数いるわけで、それらをリファーしながら進めるわけだけども。

 Tier3は現場スキルだが、自分が今属する世界(エネルギー・インフラ)で言うなら、契約法務・(プロジェクト)ファイナンス・エンジニアリング(工学)の三本だろう。商社や重電メーカー、プラントエンジ、石油会社どこであれ、似たような世界にいればここら辺は(早かれ遅かれ)身についてくると思っている。

 この世界で人材としての差別化を図るなら、やはりTier3を押さえた上で、いかにTier2,1を固められるか、だと思う。特にTier1は、資格などの可視化が難しい一方でハイレベルになるほど重要性が際立つし、この力がある人とない人じゃ正直雲泥の差があるように感じるので、どうにかいっぱしのビジョンが語れる人間になりたいものだ。そのためには、個人レベルでの「こだわり」や「愛」が必須だというのが持論。このブログでしつこく話しているエネルギーや文明論も、こういうところに繋がっているわけである。

 ちなみに一般論だが日本企業はTier3が強くTier2が弱いという印象。欧米はマネジメントシステムの構築が大好きで、よって理論体系と、それを広める商売であるビジネススクールが大いに発達している。故にTier2が非常に分厚い。学生の頃はTier2に微塵も興味がなかったが、いざ仕事で関わってみると結構面白いし奥深い。戦略コンサルほどではないが、若いうちにこういう視座が持てたのは、長期的にはプラスになると信じたい。