2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

データは新しい石油か

IT時代、いやビッグデータ時代、基いAI時代において、データは21世紀の石油だと言われる。データが重要でかつ金を生むのは肌感覚で十分理解できるが、果たして石油に相当するものなのか、というのは、まだ整理がついていない。 www.economist.com 20世紀の石…

学生的思考回路における企業の「すごさ」

たまたま就活学生と話す機会があった。誰だって「すごい」「かっこいい」企業に行きたいわけだが、「すごさ」とは何なのか。売り上げが大きいと「すごい」のか。数千億円投資している会社は「すごい」のか。思うに、「すごさ」は戦略優位があるかどうかに尽…

蘇るヒジャーズ:アラブーイスラエル鉄道計画

こんなニュースが飛び込んできた。 www.nikkei.com 「地経学」ど真ん中の、非常に刺激的なニュースである。イランの台頭が明らかになりつつある今、イスラエルは敵を一つに絞りつつある。毛沢東が言ったように、二正面作戦は敗北の布石であり、戦力の集中こ…

サウジアラビア:庇護者はアメリカから中国へ

経済戦後レジームはドルと石油に彩られた。ドルの中心はアメリカだが、石油の中心は中東、とりわけサウジアラビアであった。サウジのガワール油田は日量500万バレルを吐き出すが、これは地球全体の生産量の5%強を占めるという尋常ならざる規模である。サウ…

現場主義と忖度がもたらす貧弱なマネジメント体質

よく日本型組織は現場は優秀だがマネジメントシステムの構築や戦略性が欠けていると言われる。半世紀前の敗戦も同様の文脈で説明することができる、という本もある。僕は日本企業にいるが、訳あって日本人はマイノリティという特殊な環境で数ヶ月働く機会が…

エネルギー安保再考 〜「権益主義」批判〜

エネルギー自給率が100%以上の国は、エネルギー安保など考えなくて良い。自給率が下がるほど、また一人当たりエネルギー消費量が多いほど、その重要性は高まってくる。日本ほどこの重要性が際立つ国もそう多くあるまい。 経産省の方針はかなりリアリステ…

Fire is not dead. 『パリ協定で動き出す 再エネ大再編』井熊均・瀧口信一郎 日刊工業新聞社

エネルギー三大市場としてのEU、中国、アメリカは「ファイアー&ウィンド」すなわち石炭・天然ガスによる火力発電を中軸としつつ、2〜3割程度風力を中心とする再エネが占める、という構図が一般的になるだろう、という。技術的制約から再エネ一本になること…

シンガポールとイスラエル

繰り返すようだが、僕はイスラエルに格別興味を持っている。学生時代にみたイスラエルは、僕が考える「国力」や「国家の戦略」といった見方のバックボーンを形成している。社会人になってからは、半年弱シンガポールに滞在する機会があって、植民地支配の残…

モーゲンソーの国力

国力については色々な分析があるが、モーゲンソーの分類が包括的(その文量が多いが)だと思っている。 地理・天然資源・工業力・軍備・人口・国民性・国民士気・外交の質・政府の質の9つが国力の要素という。 ちょっとまとまりがないので、勝手に分類する…