2018-01-01から1年間の記事一覧

エネルギー収支から考える未来 オルロフ『崩壊5段階説』を手掛かりに

【以下で述べることはツイッターでダラダラ書いたことを備忘と頭の整理を兼ねて記述するものであって、嘘や飛躍が多々混じっているかもしれないこと先にお断りします。】 エネルギー収支、即ち1単位のエネルギー投下によって得られるエネルギー量、言い換え…

英雄ヴァルフィッシュ・イェーガーと火のエレメント

カール・シュミット『陸と海 世界史的な考察』を買った。まだ全ては読んでいないが書店で斜め読みしたところ、第5章「鯨と捕鯨者を称えて」が一際目についた。 メルヴィルが『白鯨』で描いた捕鯨漁師「ヴァルフィッシュ(鯨)・イェーガー(狩人)」こそが…

ジャック・アタリ『海の歴史』

この前買った本もまだ読み終わっていないから、本屋には行ってはいけない。衝動買いで積ん読が増えてしまうから。そう思いながらもふらっと丸善に吸い込まれぶらぶらしていると、案の定、その美しい表紙と魅力的なタイトルが、海の魔物セイレーンの如く誘惑…

『ホモ・デウス』を読んで考えた色々

ユヴァル・ノア・ハラリの新作『ホモ・デウス』を読んだ。前作『サピエンス全史』も非常に面白かったけど、こちらも劣らず刺激的。今作はテクノロジー、特に人工知能や生命科学の進歩による近未来の思想的革命について考察しているのだが、その詳細には立ち…

五能線の絶景と歴史浪漫を味わう〜鰺ヶ沢・深浦・十二湖〜

僕の実家にはJR東日本のカレンダーがいつも掛かっていた。各所の路線と絶景を題材にして、季節感ある美しい写真が載っているのだった。その中の一つには、日本とは思えない猛々しい岩と真っ青な海、そして海岸沿いに続く線路という、異国感もありながらどこ…

『歴史を変えた6つの飲物』:これぞ日常の歴史浪漫…

面白い本に出会った。『歴史を変えた6つの飲物』トム・スタンデージ著、楽工社。 「歴史×飲物・嗜好品」は、最強の組み合わせである。今日はこの組み合わせがなぜ浪漫をかきたててやまないのか書き連ねたい。 そもそも本ブログにおける歴史浪漫とは何か。要…

また靴を磨きました。

前回に引き続き、リーガルのファクトリーストアで買ったこの靴。 磨きやすく、結構簡単に光るので磨きの悦に浸りたときはこれをチョイス。 いつも通り、Boot Black黒で先っちょを撫でればアンティーク調の仕上がりに。 段々と慣れてきたのか、昔は軽く30分は…

「可動式の主権地」〜地経学アセットとしての海洋資源開発〜

我らがパラグ・カンナの著書『接続性の地政学』下巻に、「可動式の主権地」というお洒落なワードが出てくる。紹介されているのは中国やブラジルが海洋資源開発に使用している浮体式プラントである。その意味するところ、すなわち以下の通り。 海洋は陸地と同…

趣味としての靴磨き 〜鏡面仕上げ2〜

地政学とか文明論とか、ビジネススキルとか色々つぶやいていたが、靴磨きのエントリーが一番伸びているのを見て何かを悟った僕は、懲りずにまた靴磨きの投稿をします。 ご覧ください。手が写っています笑。もう5年以上前に買った靴なんだけど、当時はまだ学…

相対化で見えてくる「価値」

ふと思った。「価値」や「強み」って何だろうか。絶対的なものだろうか。答えはノーで、相対化して初めて価値だったり強弱が見えますね、というごく当たり前の話。 以前スキルの三階層という記事を書いたが、例えばTier3の仕事をしながら、そのレイヤーの人…

スキルの三階層

ベタな自己啓発本みたいだが、ビジネス上のスキルを自分なりに構造化してみたので書いてみることにする。 Tier1はビジョン構想力とリーダーシップ、Tier2は戦略とマネジメントシステムの構築力及び実行力、Tier3は個別事業に即した専門知識(いわゆる「現場…

アートとしての「組織論」

ビジネスの世界には色々な領域があるが、そこにはいわゆるハードスキルがある。場合によっては公的なcetificationがつけられて、プロフェッショナルとして特殊な世界を構成する分野もある。今回は重要な一分野でありながら、ハードスキルを定義するのが難し…

2018年の抱負

自然、クラフト、歴史。この3本の矢としてのcore preferenceに基づいて自分をどんどん拡張していくのが今年の抱負です。で、具体的には?というお話をしたい。 結論から言うと、「ソロキャンプ」「ギター&ウクレレ」「靴磨き」「投資」「ポルトガル語」の4…

趣味としての靴磨き 〜鏡面仕上げ〜

最近靴磨きにはまっている。もともと靴や鞄といった革製品が好きだったが、靴に関してはそれほどこだわることもなく、それっぽい革靴を、適当にクリームを塗って履いてきた。去年くらいから、ちゃんとしたファッションとして靴を履きこなそうという思いが湧…

フェルナン・ブローデル『地中海』

『地中海』を買ってしまった。最初の一巻だけで、まだ読み始めたばかり。だがこれがアカデミズムの一派を作り上げた記念碑的作品なのか、と思うほどの滑らかさ、饒舌さ、情景の豊かさがある。僕が好きな作家・ジャーナリスト、例えば元Atlantic誌のカプラン…

core preferenceと心の安定

「なんか好きな雰囲気だな」と感じる色彩、風景、世界観、写真は、人によって収斂してくると思う。最近インスタを再稼働させて改めてそう思った。とりとめもなく「いいね」していった写真を後で振り返ると、同じパターンにまとまっているのだ。僕の場合、革…