2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

善く生きるとは 9

アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を齧ったので、そこら辺を踏まえてまた考えた。 快楽はある一定水準までは自然的であり善いが、それを越してくると依存傾向が出て悪になる。だから魂の陶冶によって欲望を統制し、自然的水準で満足できるようにすべきで…

善く生きるとは 8

「善く生きること」を「幸福」と定義するとして、「善く生きるとは」何かをずっと考えている訳だけど、究極的には言葉の定義問題に帰着するのでは、という感じがしてきた。 「善」の中身が全く不明な状態であることを明示するべく、「善」をあえてXと呼ぶこ…

善く生きるとは 7

ここ一ヶ月くらい善く生きる事について徹底的に考える中でわかったことがある。善の理論の「正誤」判定は結局のところ「私」の直感に頼るほかない、ということである。トロリー問題じゃないが、どんな理論も、ある特定のシチュエーションにおいてその理論が…

善く生きるとは 6

「誰も不幸にしない」を徹底しようとこの一週間過ごしてみたが、発狂しそうである。どう考えても普通に生きているだけで誰かを害しているし、まして石油開発などというビッグ・ビジネスに関与すれば否応無しに誰かの機嫌を損なっているだろう。 そこで少し戒…

善く生きるとは 5

「誰かを幸せにする」は分かりやすいが、「誰も不幸にしない」を徹底的に考えると行き詰まる。こうして快適な家に住みWifiを利用しながらパソコンを打っている時点で、大量の化石燃料エネルギーを消費しているし、このデバイス製造過程を通じてアフリカの児…

パイを増やすのは善いのか

物質的快楽の究極的源泉は石油に代表される一次エネルギーだと思う。エネルギーの化身として財やサービスが存在し、人々の幸福を構成している。食事も教育も医療も娯楽も安全安心(インフラや軍事力)も全てエネルギーの化身である。 農耕社会成立以来の歴史…

善く生きるとは 4

自分の幸福と他人の幸福を目指す、要は「みんな幸せに」生きる世界を究極の理想としてそれに向かう線路を歩むような生き方、が善い生き方なのだと思うのだが、先日来掲げている「誰も不幸にしない」について、何故そうなのか、を考えてみた。 悪人は幸福にな…