2019-01-01から1年間の記事一覧

平和の条件

大国間の平和共存条件について考えてみた。 対話/外交:互いの利益に関する明確な相互理解。シグナリング。相互抑止のエスカレーションが慎重に管理される状態。 軍事力による相互抑止:相互が相手を強烈に害する能力を持ち、かつ、先制された側は反撃力を維…

石油の平和

「明日はもっと豊かになる」という感覚が共有されている時、平和になるのだと思う。現状に満足しているのだからわざわざ好戦的な態度をとる動機がないし、仮にそう言った闘争に陥った場合に失うもの(明日の繁栄)が大きいからである。動機もなければコスト…

EROIと戦争

戦争はなぜ起きるのか。戦争そのものの合理性と、政策決定の合理性という二つに分けて考えるとわかりやすいとふと思った。前者は政治的決断として戦争をするのが正しいかどうか、後者は政治的に正しいと思われた事柄を実際に実行に移せるか、という視点であ…

左脳と右脳の自省録

名誉、承認欲求、善の意識、貢献意欲等々を司る左脳的領域と、好奇心、趣味、愛や美意識を司る右脳的領域。一言に内面といっても大まかにこの二つがあって、しかも時に鋭く対立するので丁寧に紐解いていかないと自省は完成しない。 「善く生きるとは」シリー…

鎮魂と統制と救済

クリストファー・ボーム『モラルの起源』(白揚社、2015年)が非常に面白くて感ずるところ大なりだったので書くことにした。 現代の人間の道徳観は石器時代にチームで大型動物を狩るようになってから形成されたという仮説。共同体に危害を及ぼすエゴイスティ…

救済と鎮魂

プラトン、アリストテレス、エピクロス、エピクテトス、マルクスアウレリウスあたりの系譜を齧って「アタラクシア」すなわち不動心こそ幸福であり善であると考えてきたが、その中で、利他すなわち他者の幸福にどう貢献するかというのが大きなテーマになって…

善く生きるとは 9

アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を齧ったので、そこら辺を踏まえてまた考えた。 快楽はある一定水準までは自然的であり善いが、それを越してくると依存傾向が出て悪になる。だから魂の陶冶によって欲望を統制し、自然的水準で満足できるようにすべきで…

善く生きるとは 8

「善く生きること」を「幸福」と定義するとして、「善く生きるとは」何かをずっと考えている訳だけど、究極的には言葉の定義問題に帰着するのでは、という感じがしてきた。 「善」の中身が全く不明な状態であることを明示するべく、「善」をあえてXと呼ぶこ…

善く生きるとは 7

ここ一ヶ月くらい善く生きる事について徹底的に考える中でわかったことがある。善の理論の「正誤」判定は結局のところ「私」の直感に頼るほかない、ということである。トロリー問題じゃないが、どんな理論も、ある特定のシチュエーションにおいてその理論が…

善く生きるとは 6

「誰も不幸にしない」を徹底しようとこの一週間過ごしてみたが、発狂しそうである。どう考えても普通に生きているだけで誰かを害しているし、まして石油開発などというビッグ・ビジネスに関与すれば否応無しに誰かの機嫌を損なっているだろう。 そこで少し戒…

善く生きるとは 5

「誰かを幸せにする」は分かりやすいが、「誰も不幸にしない」を徹底的に考えると行き詰まる。こうして快適な家に住みWifiを利用しながらパソコンを打っている時点で、大量の化石燃料エネルギーを消費しているし、このデバイス製造過程を通じてアフリカの児…

パイを増やすのは善いのか

物質的快楽の究極的源泉は石油に代表される一次エネルギーだと思う。エネルギーの化身として財やサービスが存在し、人々の幸福を構成している。食事も教育も医療も娯楽も安全安心(インフラや軍事力)も全てエネルギーの化身である。 農耕社会成立以来の歴史…

善く生きるとは 4

自分の幸福と他人の幸福を目指す、要は「みんな幸せに」生きる世界を究極の理想としてそれに向かう線路を歩むような生き方、が善い生き方なのだと思うのだが、先日来掲げている「誰も不幸にしない」について、何故そうなのか、を考えてみた。 悪人は幸福にな…

善く生きるとは 3

結局まとめると、私にとっての「善い生き方」は以下3点をバランスよく実現している状態のことを言うのではと暫定的に結論付けた。 1:自分自身が幸福でいること 2:可能な限り多くの他者を幸福にすること 3:誰も不幸にしないこと 1は、ストア哲学におけ…

善く生きるとは 2

「善」の定義は色々厄介なので、とりあえず、自分が幸福であること=善く生きること、としてみる。自分の幸福を形作る要素は何か。 ①優しさ、博愛:イエスキリストほどとは言わないが、他人に優しいこと、その中身は、他人の幸福を願い行動することだと思う…

善く生きるとは

人生の目的は何か。幸福になること。では幸福とは何か。善く生きること。善く生きるとは何か。足るを知り、優しさと誠実さを保って生きること。優しさとは何か。他人の幸福を願うこと。誠実さとは何か。責任を全うすること。 自分の幸福が、善く生きる即ち他…

『人生を〈半分〉降りる』で解毒されました、というお話

中島義道さんの本を読んだ。内容は実際に読んでもらうとして、これを読んで感じたことを書き殴りたい。(と思わせるような面白い本でした) 公共的なことに関わる時間なんてなるべく少なくして、自省せよ、自分の人生の意味を考えよ、という感じの内容だと思…